手を2回叩いてから溜めたり攻撃したりするやつ

以前あれについて考えましたが、今回は別のあれをあれします。
Wikipedia「手を用いた遊び」でいうところの「手を2回叩いた後攻撃などのアクションをする遊び」です。
今回はめんどくさがらずにルール説明をしてあげましょう。

 

①2人のプレーヤーが同時に行動を選択する。(手を2回叩くのはリズムをあわせるためなので今回は無視する)
②選択できる行動は、「溜め」「攻撃」「防御」の3種類
③溜めを選択した場合、パワーを1得る。
④攻撃を選択するためにはパワーを1消費する必要がある。相手が防御していない場合に勝利する。
⑤防御を選択した場合、相手の攻撃を防ぐことができる。パワーは消費しない。
⑥以上を、どちらかが勝利するまで繰り返す

 

ローカルルールが非常に多いですがダルいので無視。
無限防御戦法を無くすために、一定パワー溜めたら勝利(もしくは防御貫通攻撃が出せる)というルールだけ加えましょう。
上限は5とか8とからしいですが、簡単のために3とし、両者同時に3まで達したら引き分けです。

行動は全て自分のパワーと相手のパワーだけで決定することにします。
つまり、防御防御でお見合いのときにいつ溜めに移行するか、みたいな心理戦は考えません。
防御防御やその他の無限ループは引き分けです。

以下、自分のパワーがX,相手のパワーがYの状態を(X,Y)と書くことにします。
パワーの状態は9通り、行動が3通りなので3^9通りの戦法があります。
実際には、
・自分のパワーが0の時は攻撃できない
・相手のパワーが0の時は防御しない
・(0,0)は溜めで確定
・(2,0)は溜めで確定(上限まで溜めて勝利なので)
・(0,2)は溜めで確定(何を出しても相手の溜めで負けなので)
という制約がつくので、2^2*3^4=324通りだけ確かめれば良いです。

324通りで総当りし、勝利数-敗北数を計算すると、ほぼ同じ作戦2つが同率1位となっていました。
それがこちら

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116勝57敗151分けの勝ち越し59ですが、勝利数だけなら126勝の作戦もいくつかあります。

作戦の強さの傾向を調べるために、戦法を図にしてみます。

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青が溜め、黒が防御、赤が攻撃。下のグラフは勝利数-敗北数で、黄色は勝率50%ラインです。
明らかに見えるのは、(1,1)溜めが弱いということ。(1,1)は必ず出現する場面ですが、ここで攻撃が強そうです。
パワーが0か1かは重要ですが、既に1あるのに2にしても効果が薄いということでしょう。
パワー3で勝利にも関わらず、自分のパワーが2のときに溜める戦法が微妙に弱そうなのも裏づけっぽいです。
(1,2)も大体(1,1)と同じ傾向ですが、攻撃が防御されると負け確なのでリスクがあがっています。
(2,1)と(2,2)は、高レベルの戦いではほぼ差が見られませんが低レベルでは攻撃が強め。
(0,1)は防御が強めですが、勝ちにはいけません。

 

結論としては、とにかく攻撃しとけって感じです。
実際に、パワーがあるかぎり攻撃する脳筋作戦が勝ち越し54で3位(同率で84戦法)です。
パワー上限3でこれなんですから、5とか8とかのときは防御貫通攻撃なんか狙っちダメですね。


今後の展望

今回、行動選択はパワーにしか依存していませんでしたが、今までの相手の選択を考慮に入れると強いAIができそう。
また、明らかに弱い戦法を除外したり、強い戦法の弱点を突く戦法を評価したりするとメタゲームが生まれます。
ローカルルールも色々ありますが、防御にもパワーが必要とかパワーを沢山使って何かするというのばっかりでますます攻撃が有利になる一方。バランス取れるようなルールでも考えてみましょうか。