あみだくじ
あみだくじは全然シャッフルされないってのが有名ですが、そうでもないよって話。
偏りについてはググるとたくさん出てきますが、まずはいつものようにExcelで計算してみました。
5本の縦軸に対して横棒をランダムに10本引くのを1万回やった結果です。なお、以降のすべてのあみだくじも5本の縦軸と10本の横棒で構成するものとします。
確かにとんでもない偏りで、これは擁護のしようがありません。ランダムなあみだくじがクソなのは認めます。
ですが、皆さんは本当に「ランダムなあみだくじ」なんて使ってるのでしょうか?
あみだくじの作り方でよくあるのは、縦軸だけ描いて各自好きに横軸を追加していくというスタイルです。
その結果が
こんなんになることってありますか。ない。明らかにない。
まず、ここ
なんで誰も線を引かないの!
こんなことされると、右の3人は指でたどってどこに行くのかなっていう楽しみを奪われてしまいます。まともなアミダクジストならば絶対にやりません。
そしてここ
ここに線を引いたやつ誰だよ!
二重線は無意味というバカでもわかることをあえてやるというのは、前の人への「お前の線は殺した」という宣言に他なりません。全体の線量も減って興ざめですし、良識のあるアミダーならば死んでもやりません。
つまり、良識を持ってまともに作られたアミダなら
こんな風にならなければならないのです。
そして、正しいアミダはクソアミダよりも(多少は)公平であると私は信じています。
ランダム配置が真下に行きやすいのは、そもそも横棒に出会わなければ真下へ直行なこと、右へ行ってもすぐ左に戻されるとやり直しなことが原因です。正しいアミダならば前者はありえませんし、後者も起こりにくい。
端からスタートして戻ってくるためには
こんな風に、横棒が5本まで確定してしまいます。むしろ確率低そう。
というわけで、正しいアミダを使って正しい確率を出してみましょう。
計算の仕方がわからないので統計を取ります。Excelでは無理ゲーなのでプログラミングしました。
まずランダムなアミダを1000万個作り、ゴミを除外します。146156個しか残りません。すなわち、ランダムアミダ物の98.5%はゴミです。
そして残ったアミダの結果をまとめたものがこちら
oh……
まだ最大3倍近い差がありますが、クソアミダに比べたらましというものです。
そして端スタートは戻りにくいという予想もあたってましたね。それどころか、遠い方が確率が高いというのは驚きです(横棒の数にもよるでしょうが)。
というわけで、今後「あみだくじは当たりの真上が一番いいんだぜー」などとのたまう輩がいれば「ククク……愚かなクソアミダ信者め」と心の中でつぶやいて逆張りし、できあがったアミダがクソアミダだったときには「お前らのせいであみだくじのバランスが崩れるのだ!」と心の中で叫びましょう。
おまけ
偏りを減らす方法としてもう一つ、跨ぎを許可するというのもあります。
こうすると縦軸同士に距離の要素がなくなるため、初期位置以外の縦軸がすべて同確率になります。
細かい計算はしていませんが、横棒を2回渡っただけで差が1/16まで縮まる(元に戻る確率が 1/4 、他の位置は (1-1/4)/4 = 3/16)ため、かなり良いと思います。
ところで
こういうのを許可したらどう計算すればいいのかさっぱりわからないんです。
暇なときに考えてみるかも。