ジェンガ

ジェンガのある段から棒を抜くとき、左右の2本が抜けるのか中央の1本しか抜けないのかの違いは、3本の高さが微妙に異なることから生まれます。
...本当は摩擦とか重心とか抜く人の技術とか色々ありますが、そんなことまで計算できないので許してください。


パターンは以下の通り

 

1. 中央に一番高い棒がある場合

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左右の2本が抜けます。

 

2. 中央に一番低い棒がある場合

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中央の1本が抜けます。

 

3. 高さの順に並んでいる場合
これは中央の棒の高さによって分岐して、
3-1. 下に凸

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中央の1本が抜けます。


3-2. 上に凸

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一番低い棒が抜けますが、大抵の場合一番高い棒も抜けるので、2本抜けるということにします。
そんなこと言ったらパターン1とかパターン3-1も頑張れば2本抜けるじゃん、というのは無しです。

 

パターン1,2,3はどれも等確率で発生します。
棒の高さが一様にばらけている場合は3-1と3-2も等確率で発生するため、各段は期待値1.5本抜くことができ、全体の高さは2倍になると予想されます。

 

嘘です。

 

抜いた棒は上に積んでいくため、ジェンガは途中から「一度抜かれた棒だけで構成された段から更に棒を抜く」という動作になります。
「一度抜かれた棒」は低い棒が多いため、高さが一様にばらけているという前提は成り立ちません。
つまり、パターン3-2が占める割合はどんどん小さくなっていき、全体の高さは2倍まではいかないと予想するのが正しいでしょう。

 

例によって計算ではなくコンピュータの力業で行きます。
10万段のジェンガを組み、下から順番に抜けなくなるまでジェンガするのを100回繰り返して平均をとります。
棒1本の高さが1.5センチらしいので、10万段のジェンガは1500メートルです。

 計算結果がこちら

    段数:197688
    パターン1の回数:65986回(33.3%)
    パターン2の回数:65977回(33.3%)
    パターン3の回数:65723回(33.2%)
        パターン3-1の回数:36333回(18.4%)
        パターン3-2の回数:29390回(14.9%)

2965メートルにしかなりませんでした。

うーん、誤差。

 

各パターンが何回出てきたかグラフにしたものがこちら

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最初の10万段を抜いた時点で、目に見えて3-2が衰えています。
よーく見ると、次の5万段を抜いたところで更に傾きが落ちているのも分かるでしょうか。